IGESファイルは、Initial Graphics Exchange Specificationに基づく中立CAD交換ファイルです。拡張子は .igs または .iges で、どちらも同じ形式です。IGESはSTEPより古く、サーフェスモデル、金型、過去のデータの受け渡しで今も使われています。作成元のCADがなくても、IGESビューアで開き、ソリッドなのか、サーフェスなのか、曲線だけなのかを確認し、分かっている寸法を1つ照合できます。
この確認は、他の形式よりIGESで重要です。拡張子だけでは、ファイルに閉じたソリッドが入っているか分かりません。そして、その答えで測定できる内容が決まります。
IGESファイルの中身
標準的なIGESファイルは、1行80文字固定のプレーンASCIIテキストです。コピーをテキストエディタで開けます。各行の73桁目の文字が、その行の属するセクションを示します。
| 文字 | セクション | 内容 |
|---|---|---|
S |
Start | 出力側が書いた自由記述。出力元のシステムやメモが多い |
G |
Global | ファイル全体の設定。送信システム、日付、モデルの単位など |
D |
Directory entry | エンティティごとの2行の記録:種類番号、レベル、色、ポインタ |
P |
Parameter data | 各エンティティの実際の数値:座標、ノット、トリム曲線 |
T |
Terminate | 上記セクションの行数 |
行がこの構成になっていなければ、標準のASCII IGESファイルではありません。別形式から改名したファイルは、拡張子を変えても読めるようにはなりません。
Globalセクションには単位フラグがあります。仕様では 1 がインチ、2 がミリメートルで、他の値は別の単位に対応します。リーダーはインポート時に単位を変換します。たとえばOpen CASCADEは、ミリメートル以外の長さをミリメートルに変換します。Open CASCADE IGESトランスレータガイド。ただしフラグが役立つのは送り主が正しく設定している場合だけなので、分かっている寸法での確認が本当のチェックです。
曲線、サーフェス、ソリッド
IGESは番号付きのエンティティタイプでジオメトリを記述します。実際に届くファイルは、おおむね3つに分かれます。
| ファイルの内容 | 代表的なエンティティ | 確認できること |
|---|---|---|
| 閉じたソリッド | シェルと面からなるマニホールドソリッドB-Rep(タイプ186) | 寸法、表面積、体積、確認した密度による質量 |
| サーフェス | トリム曲面とBスプライン曲面(タイプ144、128) | 寸法と表面積。体積は近似止まり |
| 曲線のみ | 直線、円弧、スプライン | 外形とワイヤーフレームの形状。面積、体積、質量はなし |
サーフェスだけのファイルは非常に多く見られます。多くのシステムは、元がソリッドでもIGESをトリム面の集合として書き出すためです。閉じて見えるシェーディング表示でも、実際は開いたサーフェスの集まりのことがあります。IGESがソリッドではなくサーフェスになる理由で、原因と依頼すべき内容を説明しています。
IGESファイルをオンラインで開く手順
- 元の
.igsまたは.igesファイルは変更せずに保管します。 - IGESビューアを開きます。WebGL対応のブラウザなら、Windows、macOS、Linuxで動作します。
- ファイルを選びます。サーバー処理のためにアップロードされます。表示と測定にアカウントは不要です。
- 全体表示 でモデルを画面に収めます。動くのはカメラだけです。
- 何が読み込まれたかを確認します。ソリッド、サーフェスの集合、曲線のワイヤーフレームのどれかです。プロパティ の上部にソリッド数が表示されます。
- プロパティ のX、Y、Z寸法を、信頼できる寸法と比べます。
- サーフェスには表面積を使います。体積と質量をソリッドの値として扱うのは、ソリッド数が0より大きく、ジオメトリ警告がない場合だけです。

上のサンプルは、注意が必要な例です。6つの面が箱を囲んでいるため、CADPropsは表示メッシュから約6,000 mm³の近似体積を復元しますが、ソリッド数は0で、パネルには体積が不正確な可能性があるという警告が出ます。B-Repの面から求める表面積が、ここでは信頼できる値です。サーフェスが空間を囲んでいない場合、体積はゼロとは表示されず「利用不可」のままになります。どちらの場合も、バウンディングボックスによる概算で代用しないでください。
元の単位・計算方法・精度 を開くと、リーダーが適用した単位、ソリッド数、各値の計算方法を確認できます。

IGESリーダーは自己完結したファイルを扱います。外部参照は取得しないため、他のファイルに依存するファイルは、そのファイル自体に含まれる内容だけが読み込まれます。
IGESが苦手なもの
IGESが運ぶのはジオメトリです。元のフィーチャーツリー、スケッチ、拘束は含まれず、アセンブリ構造もSTEPに比べて限られます。管理用のデータがインポート時に失われることもあります。たとえばOpen CASCADEのリーダーは、レベルの割り当てを変換しません。Open CASCADE IGESトランスレータガイド。レイヤーやレベルの整理が作業に重要なら、残っていると決めつけず、受け側のシステムで確認してください。
リーダーによって、対応するバージョンやエンティティタイプも異なります。Open CASCADEはIGES 5.3までのバージョンで書かれたファイルを読み込めます。リーダーが対応しないエンティティを使うファイルは、一部が欠けた状態で開くことがあります。
STEPを依頼したほうがよい場合
サーフェスを見たり測ったりするだけなら、IGESで十分です。次の場合は、送り主にSTEPでの出力を依頼してください。
- ソリッドの体積や質量が必要なのに、IGESにサーフェスしかない
- アセンブリ構造、コンポーネント名、配置が必要
- 受け側のシステムでIGESが不完全に読み込まれる
- 単位フラグを確認しても、既知の寸法が合わない
STEPとIGESの比較で2つの形式をさらに詳しく比べています。依頼した結果として何が届くかはSTEPファイルのガイドをご覧ください。他の中立形式についてはIGESとParasolid、SATとIGESがあります。
IGESをSTEPに変換する
受け側がSTEPを希望する場合は、元のファイルを確認してからIGESからSTEPを使います。変換では、読み取れたジオメトリが保持されます。開いたサーフェスを閉じてソリッドにすることはないため、サーフェスのIGESはサーフェスのSTEPになります。結果を開き直し、寸法と表面積を元のデータと比べてください。
IGESのツールとガイドはIGESのページにまとめています。ファイルの問題かビューアの問題かを切り分けたいときは、box.igesサンプルが使えます。
元の記事: CADProps · https://www.cadprops.com/ja/guides/iges-file-what-it-is-how-to-open/